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有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者→自ら不貞等の夫婦間の義務に反する行為をした者
(不貞が問題になる事案が多いが、虐待等も含む)

判例上、有責配偶者側からの離婚請求は原則として認められない。

→判決(裁判)では離婚できないということ(協議、調停で双方が納得すればできる)

【例外→有責配偶者側からの請求であっても離婚が認められる場合】

ア 有責行為が夫婦関係破綻の原因とは言えない場合
→ 不貞行為はあったが、その時点では、
「既に別の理由で婚姻関係が破綻していた」場合など。

イ(有責行為が夫婦破綻の原因であったとしても)

最高裁判例が示した「例外的に離婚が認められる要件」を満たす場合
(①②③を全て満たす場合)

① 長期の別居期間
最近の判例の流れでは、7~8年前後が基準になると言われている。
(民法改正要綱試案では5年案が示されており、6年で認めた裁判例もあり)
② 未成熟の子がいないこと
③ 相手方を精神的、経済的に苛酷な状況に追いやるなどの
「社会正義に反する事情」がないこと

(参考)上記例外を認めた最高裁判例本文抜粋

そこで、5号所定の事由による離婚請求がその事由につき専ら責任のある一方の当事者(以下「有責配偶者」という。)からされた場合において、当該請求が信義誠実の原則に照らして許されるものであるかどうかを判断するに当たつては、有責配偶者の責任の態様・程度を考慮すべきであるが、相手方配偶者の婚姻継続についての意思及び請求者に対する感情、離婚を認めた場合における相手方配偶者の精神的・社会的・経済的状態及び夫婦間の子、殊に未成熟の子の監護・教育・福祉の状況、別居後に形成された生活関係、たとえば夫婦の一方又は双方が既に内縁関係を形成している場合にはその相手方や子らの状況等が斟酌されなければならず、更には、時の経過とともに、これらの諸事情がそれ自体あるいは相互に影響し合って変容し、また、これらの諸事情のもつ社会的意味ないしは社会的評価も変化することを免れないから、時の経過がこれらの諸事情に与える影響も考慮されなければならないのである。
そうであってみれば、有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできないものと解するのが相当である。けだし、右のような場合には、もはや5号所定の事由に係る責任、相手方配偶者の離婚による精神的・社会的状態等は殊更に重視されるべきものでなく、また、相手方配偶者が離婚により被る経済的不利益は、本来、離婚と同時又は離婚後において請求することが認められている財産分与又は慰藉料により解決されるべきものであるからである。